露点計測のおはなし

<< August 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

露点計測の古典的名著は?

露点計測に関する書籍・資料は、数多く出版されていますが、その中で、古典的な名著はというと、次の2冊が上げられます。

(ブログ亭主Yoshiの独断と偏見による)

 

1. 「湿度と水分 」

計量管理技術双書〈17 計量管理協会編〉 芝 亀吉 (著)1975年コロナ社刊

40年以上前に出版された書籍で、理論と当時の実際の計測法が詳しく書かれています。

先人の知恵が凝縮された名著といえます。

 

入手不可能となる恐れがありますので、早めにお買い求めになるようお勧めします

 

国立国会図書館サーチで見る

アマゾンで探す → 湿度と水分 (1975年) (計量管理技術双書〈17 計量管理協会編〉)

楽天で探す → 楽天には2018年3月8日現在、出品されておりません

 

2. 「湿度測定の指針」A Guide to the Measurement of Humidity

英国計測制御学会刊

The Institute of Measurement and Control

87 Gower St. London WCIE 6AA

1996年出版

邦訳版 (株)テクネ洋行1998年刊

 


湿度測定の指針

目 次
  1. 本書の狙い
  2. はじめに
  3. 湿度の概念、用語および定義
  4. 湿度測定に対する温度と圧力の意義
  5. 湿度測定法序説
  6. 湿度計のタイプの選択
  7. 性能と校正
  8. 湿度測定において推奨される方法
  9. 湿度測定の品質保証
  10. 図表と式
  11. 例および計算
  12. 参考文献

湿度測定の理論と参考文献が詳しく載っています。

現在、(株)テクネ計測で入手可能です。

 

水分計測に携わっている方々は、是非ともこの2冊を入手し、参考にされることをお勧めします。

 

執筆者:ブログ亭主Yoshi

ブログ亭主、Yoshi | comments(0) | -

「露点計測は、精度と再現性が、いのち」*露点計 校正のおはなし*

理論担当の、Taku と申します。

中学・高校と、教科では物理が好きで、勉強しなくても授業を聞いているだけで合格点を取っていました。

 

たった一つ中学時代に良く解らなかったのが、飽和水蒸気・露点・湿度で、分からないからと勉強していくうちに、遂に大学で、専攻する羽目になってしまいました

 

「たかが水分、されど水分」

 

簡単なようで、結構難しく奥が深いのです

専門に勉強してみて、それが分かり、まあ、中学・高校くらいでスッキリと分からなかったのは、無理もないと思った次第です

 

さて、ぼちぼち、表題の「露点計測は、精度と再現性が、いのち」のおはなしに入りましょうか

 

<精度>

計測器ですから、まずは精度が問題となります

露点計には必ず、仕様の精度の欄に、「±2.0℃DP」などと記載されております

 

これは、例えば真値が0℃DPの時に、この計器は「+2.0から-2.0の範囲内で指示しますよ」ということです

 

この精度を範囲内に保つのに、校正と補正という作業を行います

 

<JIS Z 8103:2000 のJIS計測用語「校正」の定義>

『計器又は測定系の示す値、若しくは実量器又は標準物質の表す値と、標準によって実現される値との間の関係を確定する一連の作業。備考 : 校正には,計器を調整して誤差を修正することは含まない。』

 

いつもながら、難解な言い回しで困ります

 

簡単に言うと、校正は、基準器(下記写真参照)と、指示を比較することなのです

(基準器としてよく使われている、英国ミッシェル社製の4000TRS)

 

その後、その指示を誤差範囲内に調整する作業が、補正です

 

難解に言いますと、

 

<JIS Z 8103:2000のJIS計測用語「補正」の定義>

『系統誤差を補正するために、補正前の結果に代数的に加えられる値叉はその値を加えること』

 

但し、実際の校正という言葉は、校正と補正を両方含めた意味で使われています

 

では、その校正が必要なのは、どのくらいの頻度なのでしょう

原理によって大きく異なります

 

上記写真の基準器は、ミラー式と呼ばれ、自分で調整して精度を保ちますので、5年に1回というところでしょうか

 

オンライン露点計によく使用されている酸化被膜の場合は、最低でも1年に1回は実施しなくてはいけません

 

<再現性>
もう1つは再現性です

 

せっかく校正で精度を誤差範囲内に収めても、次に計測したら外れていた、ということでは意味がありません

 

2回目も3回目も、何回やっても、校正したときの精度で指示するようであれば、使える露点計ということです

 

再現性は、仕様には通常記載されておりません

 

この再現性が優れていれば、少々誤差があっても、補正カーブのグラフを作って使えば役に立つ露点計となります

 

 

いかがですか、「精度と再現性」と「校正」のおはなしでした

 

以上、大まかなことを頭に入れておけば、今後の露点計測に役立つこと請け合いです

 

 

弊社ホームページ、修理・校正サービス [1] も併せてご覧ください。

 

執筆者:Taku

脚注
[1] 修理・校正サービス

 

 

 

理論担当、Taku | comments(0) | -

ミッシェル社のポータブル型露点計「ADM」は、計測機器の名機です

「露点計測のおはなし」、ブログ亭主の、Yoshiです


世の中には、名機と言われる製品が、数多く存在します

わたくしこと、ブログ亭主、Yoshiは、大学卒業以来40年以上に渡り、計測機器業界でいろいろな計測機器と出会ってきました

その中で一番の名機といえば、表題の、ミッシェル社のポータブル露点計「ADM」でしょう

そもそも、名機と言われる条件は何でしょうか?

1. 基本的なスペックを満たしている
2. ユーザーの使い勝手にフィットしている
3. 操作性が良い
4. 計測過程がシンプルで、信頼性がある
5. 消耗品に汎用性がある
6. 堅牢
7. メンテ部品の調達が容易
8. 耐久性が抜群にある

以上の要求を条件に、ランキングしてみると、ミッシェル社のポータブル露点計「ADM」が首位に立つのです

これです ↓


露点関連の仕事をしている方なら、ほとんどの人が知っているか、「どっかで見たような機器だな」と思うほど、普及した露点計です

先ほどの8つの条件を、詳しく検討していきましょう

1. 基本的なスペックを満たしている
これは、絶対に必要条件ですよね
まずは、何事も、ここからスタートします

2. ユーザーの使い勝手にフィットしている
一番大事なのは、いろんなユーザーの使い勝手に合ったものでないと、いけません

そこは、このミッシェル社のポータブル露点計「ADM」の、一番の強みで、現場で作業する人が設計に参加したため、ユーザビリティの優れた製品となっています

3. 操作性が良い
いくら優秀な機械でも、操作性が悪くては、嫌われてしまいます
ガスラインを接続して、ロータリースイッチを回すだけで、計測してくれます

4. 計測過程がシンプルで、信頼性がある
余分な機構を付け足したりしないで、センサーにガスを通して、電気的にメーターを動かすだけの、シンプルな計測過程で、現場での信頼性は抜群です

デューカップの次ぐらいの信頼性でしょうか

5. 消耗品に汎用性がある
うっかりと、消耗品を用意し忘れて、会社に戻ることの無いよう、電池などの消耗品は、汎用性のあるものが重要です

ミッシェル社のポータブル露点計「ADM」は、AC電源の外に、006P型電池 x 4個でも使用でき、コンビニでも買えます

また、その外の消耗品は必要ありません

6. 堅牢
現場でのユーザーにとって、機器の堅牢さは重要です
少々乱暴に扱っても、壊れることはありません

7. メンテ部品の調達が容易
通常、メーカーのメンテナンス期間が過ぎると、部品調達が困難になります
ところが、ミッシェル社のポータブル露点計「ADM」は、今現在でも、センサー以外の全ての部品を国内で調達可能です

残念ながらセンサーは、製造中止となっておりますが、特に難しい技術が必要というわけではありませんので、製造することは可能です

8. 耐久性が抜群にある
製造から現在まで、40年以上経過しておりますが、いまだ、メンテナンスに戻って来て、現役バリバリで活躍しております

英国のジョンブル魂とでも言いましょうか、まじめ過ぎるくらいまじめに製造していますので、なかなか壊れません


露点計関連の仕事をしている方、古い機械だからと言って、倉庫で眠っていませんか?
まだまだ使えます

ブログ亭主、Yoshiに預けてみませんか
全ての日本で使われている、ミッシェル社のポータブル露点計「ADM」は、私が点検し出荷したものです

帰ってくるたびに、「ああ、あの時のものだな」と、よく覚えています

動かなくなって使われていない露点計を、見事に、復活させて見せます
なにしろ、2016年7月1日現在の蘇生率が、60.5%となっておりますので、お任せ下さい

こちらまで → (株)愛知洋行 再生サービス/改造サービス


< 仕       様 >
寸            法:225 x 165 x 145mm
重            量:4.3kg
構            造:鋼板製、黒色焼付エナメル仕上
                   前面パネルおよび台枠はアルミニウム製
センサー構造:本体は、アルミニウム合金黒色電解加工
                   保護管は真鍮ニッケルメッキ仕上げ
                   コンデンサー容量の変化は、最大0.07μF
使  用  温  度:-10〜+40℃
保  存  温  度:-50〜+70℃
最大使用圧力:1kg/cm2
記録計用出力:0〜10mVDC
電            源:AC100V,50/60Hzまたは006P  x 4個
保            守:ユーザーのメンテナンス不要

 

以上のように、Michell社のポータブル露点計ADMは、残念ながら、現在製造されておりません

後継機種は、より高性能になった、アドバンスト・ポータブル露点計 Model:MDM300となっております

 

MDM300

 

MDM300 技術仕様

性能
計測テクノロジー ミッシェル社セラミック・センサー
精度 露点:±2℃dp(-100〜+20℃dp間)
測定(校正)範囲 -100〜+20℃dp、+30℃dpまで表示
測定単位 ℃、K、℃dp、ppmv、ppmw(Air、N2、H2、CO2、SF2)
%RH、g/m3、g/kg
オプション:圧力(barA/G、psig、MPa、KPa)
表示分解能 露点:0.1、オート・レンジング
測定分解能 0.1℃dpより良好
応答時間(typical) T95≦10min、-60℃dpまで
電気入/出力
外部入力 4-20mA ループ・パワー給電、露点、温度または圧力を選択
バッテリー・タイプ NiMH 4.8V
バッテリー動作時間 通常の使用において最大48時間(充電間隔)
バッテリー充電器 インテリジェント・チャージャー
動作条件
使用圧力範囲 3.5MPa
使用環境条件 屋外0〜100%RH(結露)まで
使用環境温度範囲 -20〜+50℃
保管/輸送温度範囲 -40〜+70℃
メカニカル仕様
表示部 青色LCDグラフィック・ディスプレー
筐体 スチール・ファイバー組込高圧縮ポリアミド6
保護等級 IP66/NEMA4
ガス接続継手 1/8NPT(雌ネジ) オプションで他の接続継手指定可能
ガス流量 0.2〜1.2NI/min
フィルター Inletポートに50µ焼結SUSガード装備
接液部材質 AISI 316Lステンレス・スチール
寸法 d218×w170×h90mm
重量 1.35kg
一般
データ・ロギング機能 8Mbits、ロギング間隔:5〜600Ssec、最大10,000点/log file
通信機能 (無線)BluetoothTM範囲5mまで(version2.0)
認定
本質安全防爆 CE

 

 

本質安全防爆型は、 Model:MDM300 I.S.となっております

MDM300 I.S.技術仕様

 

性能
計測テクノロジー ミッシェル社セラミック・センサー
精度 露点:±2℃dp(-100〜+20℃dp間)
測定(校正)範囲 -100〜+20℃dp、+30℃dpまで表示
測定単位 ℃、K、℃dp、ppmv、ppmw(Air、N2、H2、CO2、SF6)
ppmv、lb/mmscf & g/m3(natural gas)
ppmv、g/m3 & %RH
表示分解能 露点:0.1、オート・レンジング
測定分解能 0.1℃dpより良好
応答時間(typical) T95≦30min、-60℃dpまで
電気入/出力
外部入力 ミッシェル社製ED-TX-ISまたはED ProISをリモートセンサー・インターフェイス経由で接続
バッテリー・タイプ NiMH 4.8V
バッテリー動作時間 通常の使用において最大24時間(充電間隔)
バッテリー充電器 インテリジェント・チャージャー
(但し危険場所での使用は不可)
動作条件
使用圧力範囲 3.5MPa
使用環境条件 屋外0〜100%RH(結露)まで
使用環境温度範囲 -20〜+50℃
保管/輸送温度範囲 -40〜+70℃
メカニカル仕様
表示部 青色LCDグラフィック・ディスプレー
筐体 スチール・ファイバー組込高圧縮ポリアミド6
保護等級 IP66/NEMA4
ガス接続継手 1/8NPT(雌ネジ) オプションで他の接続継手指定可能
ガス流量 0.2〜0.5N/min
フィルター Inletポートに50µ焼結SUSガード装備
接液部材質 AISI 316Lステンレス・スチール、PTFEシール、ホウケイ酸ガラスセラミック
寸法 d218×w170×h90mm
重量 1.5kg
一般
データ・ロギング機能 8Mbits、ロギング間隔:5〜600Ssec、最大10,000点/log file
通信機能 (無線)BluetoothTM範囲5mまで(version2.0)
認定
本質安全防爆

ATEX&IECEx - EX Group II Cat 1G Ex ia IIC T4
Ga−20〜60℃
CSA/FM - NEC 500 Class1 Div 1 Groups A,B,C,D T4
GOST
CE
TIIS認定申請中

 

詳しく知りたい方は、下記まで資料をご請求下さい

info@aichicorp.com

 

 

 

 

ブログ亭主、Yoshi | comments(0) | -

まだまだ健在、イスズ式露点計 - Dewcup(デューカップ)

「露点計測のおはなし」、計測記事担当の、Konです。

機器の取り扱いが好きで、楽しみながらマニュアルを読めるのが、ただ一つの特技です。

主に電気計器を使用して、露点計測をしていますが、たまに手分析でやってくれとの依頼があります。

電気式の露点計は便利ですが、最大の欠点は、とんでもない値を出しても、真偽のほどを、その場で確かめることは出来ません。

その点、実際に結露を目で見て、確かめられる機器は、信頼性があります。

このような機器は、イスズ式露点計 - Dewcup(デューカップ)と、浜田式露点計の2つが、製品として有ります。

本日はDewcupについて、お話してみたいと思います。

写真 ↓ イスズ式露点計 - Dewcup(デューカップ)


名称は、正式には、イスズ式露点計、空気露点検測器など。弊社の製品名で言うと「DC型空気露点検測器」です。通称、Dewcup (デューカップ)と言います。

現在のような形に落ち着いたのは、ほぼ40年前で、それ以来、材質等、多少の改良はありましたが、ほとんど同じ形状で、いままで作られてきました。

実際に、結露を目で確認して、露点計測をするため、いまだに、現場で、強い信頼性と人気があり、メーカーを変えながら、製造販売が続いております。

計測の方法を、きっちりと守れば、-70℃DPから大気露点まで、±3℃DPの誤差で、計測することができます。

Dewcup計測の方法

以下は、(株)愛知洋行で実際に計測し、国家基準とトレーサビリティのある基準露点に、最も近くなる、方法を確立したものです。

1. 機器の準備

写真 ↓ が、正しい計測に必要な、露点計に設置する装備です。


写真の「パージ配管」は、-70℃DP付近を計測するときに、ガラス面に霜が付かないように、背面のサンプルアウトから、引っ張ってきます。

この他に、ドライアイス、無水エタノール、ドライアイスを砕くためのハンマー、投入用スプーン、結露確認用ランプ、が必要です。

2. セッティング

サンプルガスINに、サンプルガスを流します。流量は正確に、3L/minを安定的に供給して下さい。
流量は、たいへん重要で、多いと低く、少ないと高い露点計測結果が出ます

配管は、テフロンチューブが最適です。SUS管も良好ですが、フレキシブルでないと、取り扱いが不便です。
ビニールチューブは不可。

パージ時間は、出来るだけ長く取って、機器内の水分を飛ばしでから、計測を開始します。

ドライアイスを、ハンマーを使って、粉状にします。

カップ内に、1/3の無水エタノールを入れます。あまり入れすぎると、ドライアイスを入れたときに、ふきこぼれる恐れがあります。

3.計測

スターラーを回し、デジタル温度計をONにして、スプーンでドライアイスを投入していきます。
初めは少なく入れないと、吹きこぼれます。途中では多めに入れて、ターゲット露点になるころには、少なくするのがコツです。

ライトで霜が付くのを確認したら、温度計が下がりきるのを確認し、一番低い温度を記録します (着露点)

ドライアイスの投入をやめ、スターラーを回したまま、温度が上がるのを待ち、消えると同時の温度を記録します (消露点)

これを、3回繰り返し、着露点と消露点の、平均値を計算します。これが1ロット目の露点です
3ロットのデータを取ったら、計測は終了です。

4. 検討

3ロットの平均値が、最終の計測露点です。

各ロットの値が、大きくばらついているときは、問題ありですので、設定や温度計などの機器、流量、計測の検討をします

以上の手順を正確に踏めば、誰がやってもほとんど同じ値になるはずです


露点計測にかかわっているエンジニアの皆様、安価な費用で出来ますので、実際に計測して、露点を実感することを、お勧めします

以上で、Dewcupのお話は終わりです

執筆者:Kon

 

実際の計測を動画にしてみましたので、参考にして下さい。

「アルコールまたはアセトン」を「無水エタノール」に変更して下さい。

 

正しい計測に必要な、露点計に設置する装備を、ネットで探してみました

 

温度計

楽天で見てみる →  横河計測 デジタル温度計 TX10-02

アマゾンで見てみる → 横河計測 デジタル温度計 TX10-02

ミキサー

楽天で見てみる → アズワン ペンシルミキサーDX

アマゾンで見てみる → アズワン ペンシルミキサーDX

 

支持スタンド一式

楽天で見てみる → 三ツ足スタンドx1、丸形クランプX2、ムッフX2

 

 

計測担当、Kon | comments(0) | -

トレーサビリティのお話しと、「校正証明書」の発行

「露点計測のおはなし」、理論担当のTakuと申します。

中学時代に良く解らなかった、飽和水蒸気・露点・湿度がトラウマになり、遂に大学で、勉強する羽目になってしまいました。

普通は、逆ですけどね。

今日は、トレーサビリティのお話しを、してみようかと思います。

ちょっと硬くて難しいのですが、露点計測の要の部分で、現在、国際的に非常に重要な概念となっておりますので、ぜひ、最後までお付き合いください。


露点計を始めとする計測器は、定期的に校正をしなくてはいけませんが、そのためには信頼できる基準器が必要です。

その基準器もまた、校正が必要で、それには別の基準器を使用します。

この様に順次さかのぼり、最後に辿り着くのが、国家標準または国際標準というわけです。


トレーサビリティはJISの計測用語で、

不確かさがすべて表記された切れ目のない比較の連鎖によって、決められた基準に結びつけられ得る測定結果または標準の値の性質。基準は通常、国家標準または、国際標準」[1]

と定義されています。


この定義の中の、

1.「不確かさ」[2]
2.「切れ目のない比較の連鎖」
3.「国家標準または、国際標準」

について、解説していきます。


1.「不確かさ」Uncertainlyとは、計測のばらつきのことです。「不確かさ」が大きいほど、測定結果として予想されるばらつきも、大きいものになります。

下記の「Calibration Certificate」に記載されておりますが、通常は小数一位以下の数値(例えば、0.07とか0.56)になっております。

2.「切れ目のない比較の連鎖」はトレーサビリティ体系図(Traceability Chartトレーサビリティ・チャート)によって、表記されます。

    例えば、こんな感じです ↓


各書類に記載された、基準器の型番・製造番号がトレーサビリティ体系図のものと、合っていることが絶対条件です。

3.「国家標準または、国際標準」
露点計は現在、国際標準の、NPL、NIST、SCSにトレーサビリティを取るのが、主流になっています。

NPL:National Phisical Laboratory
NIST:National Institute of Standards and Technology
SCS:Swiss Calibration Service

校正対象露点計の校正時に使用する基準器と、NPL, NIST, SCSの標準器との比較データ、「Calibration Certificate」が発行されます。
これには、基準器の製造番号が記載されています。


露点計のユーザーから、校正を依頼された会社又は機関は、以上のトレーサビリティを有した基準器と比較した「試験成績書」を作成し、「校正証明書」を発行します。


「校正証明書」の書類一式は以下の通りです [3]
1. 校正証明書
2. 試験成績書
3. トレーサビリティ体系図
4. Calibration Certificate

最後まで、お付き合い頂いて、有難うございました。

Konちゃん、たいへんお待たせしました。次、お願いします。

執筆者:Taku

脚注
[1] JIS Z8103:2000計測用語の2132番
[2] 不確かさ
[3] 「校正証明書」付きの校正
 
理論担当、Taku | comments(0) | -