露点計測のおはなし

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露点計測の古典的名著は?

露点計測に関する書籍・資料は、数多く出版されていますが、その中で、古典的な名著はというと、次の2冊が上げられます。

(ブログ亭主Yoshiの独断と偏見による)

 

1. 「湿度と水分 」

計量管理技術双書〈17 計量管理協会編〉 芝 亀吉 (著)1975年コロナ社刊

40年以上前に出版された書籍で、理論と当時の実際の計測法が詳しく書かれています。

先人の知恵が凝縮された名著といえます。

 

入手不可能となる恐れがありますので、早めにお買い求めになるようお勧めします

 

国立国会図書館サーチで見る

アマゾンで探す → 湿度と水分 (1975年) (計量管理技術双書〈17 計量管理協会編〉)

楽天で探す → 楽天には2019年1月22日現在、出品されておりません

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2. 「湿度測定の指針」A Guide to the Measurement of Humidity

英国計測制御学会刊

The Institute of Measurement and Control

87 Gower St. London WCIE 6AA

1996年出版

邦訳版 (株)テクネ洋行1998年刊

 


湿度測定の指針

目 次
  1. 本書の狙い
  2. はじめに
  3. 湿度の概念、用語および定義
  4. 湿度測定に対する温度と圧力の意義
  5. 湿度測定法序説
  6. 湿度計のタイプの選択
  7. 性能と校正
  8. 湿度測定において推奨される方法
  9. 湿度測定の品質保証
  10. 図表と式
  11. 例および計算
  12. 参考文献

湿度測定の理論と参考文献が詳しく載っています。

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水分計測に携わっている方々は、是非ともこの2冊を入手し、参考にされることをお勧めします。

 

執筆者:ブログ亭主Yoshi

ブログ亭主、Yoshi | comments(0) | -

ミッシェル社のポータブル型露点計「ADM」は、計測機器の名機です

「露点計測のおはなし」、ブログ亭主の、Yoshiです


世の中には、名機と言われる製品が、数多く存在します

わたくしこと、ブログ亭主、Yoshiは、大学卒業以来40年以上に渡り、計測機器業界でいろいろな計測機器と出会ってきました

その中で一番の名機といえば、表題の、ミッシェル社のポータブル露点計「ADM」でしょう

そもそも、名機と言われる条件は何でしょうか?

1. 基本的なスペックを満たしている
2. ユーザーの使い勝手にフィットしている
3. 操作性が良い
4. 計測過程がシンプルで、信頼性がある
5. 消耗品に汎用性がある
6. 堅牢
7. メンテ部品の調達が容易
8. 耐久性が抜群にある

以上の要求を条件に、ランキングしてみると、ミッシェル社のポータブル露点計「ADM」が首位に立つのです

これです ↓


露点関連の仕事をしている方なら、ほとんどの人が知っているか、「どっかで見たような機器だな」と思うほど、普及した露点計です

先ほどの8つの条件を、詳しく検討していきましょう

1. 基本的なスペックを満たしている
これは、絶対に必要条件ですよね
まずは、何事も、ここからスタートします

2. ユーザーの使い勝手にフィットしている
一番大事なのは、いろんなユーザーの使い勝手に合ったものでないと、いけません

そこは、このミッシェル社のポータブル露点計「ADM」の、一番の強みで、現場で作業する人が設計に参加したため、ユーザビリティの優れた製品となっています

3. 操作性が良い
いくら優秀な機械でも、操作性が悪くては、嫌われてしまいます
ガスラインを接続して、ロータリースイッチを回すだけで、計測してくれます

4. 計測過程がシンプルで、信頼性がある
余分な機構を付け足したりしないで、センサーにガスを通して、電気的にメーターを動かすだけの、シンプルな計測過程で、現場での信頼性は抜群です

デューカップの次ぐらいの信頼性でしょうか

5. 消耗品に汎用性がある
うっかりと、消耗品を用意し忘れて、会社に戻ることの無いよう、電池などの消耗品は、汎用性のあるものが重要です

ミッシェル社のポータブル露点計「ADM」は、AC電源の外に、006P型電池 x 4個でも使用でき、コンビニでも買えます

また、その外の消耗品は必要ありません

6. 堅牢
現場でのユーザーにとって、機器の堅牢さは重要です
少々乱暴に扱っても、壊れることはありません

7. メンテ部品の調達が容易
通常、メーカーのメンテナンス期間が過ぎると、部品調達が困難になります
ところが、ミッシェル社のポータブル露点計「ADM」は、今現在でも、センサー以外の全ての部品を国内で調達可能です

残念ながらセンサーは、製造中止となっておりますが、特に難しい技術が必要というわけではありませんので、製造することは可能です

8. 耐久性が抜群にある
製造から現在まで、40年以上経過しておりますが、いまだ、メンテナンスに戻って来て、現役バリバリで活躍しております

英国のジョンブル魂とでも言いましょうか、まじめ過ぎるくらいまじめに製造していますので、なかなか壊れません


露点計関連の仕事をしている方、古い機械だからと言って、倉庫で眠っていませんか?
まだまだ使えます

ブログ亭主、Yoshiに預けてみませんか
全ての日本で使われている、ミッシェル社のポータブル露点計「ADM」は、私が点検し出荷したものです

帰ってくるたびに、「ああ、あの時のものだな」と、よく覚えています

動かなくなって使われていない露点計を、見事に、復活させて見せます
なにしろ、2016年7月1日現在の蘇生率が、60.5%となっておりますので、お任せ下さい

こちらまで → (株)愛知洋行 再生サービス/改造サービス


< 仕       様 >
寸            法:225 x 165 x 145mm
重            量:4.3kg
構            造:鋼板製、黒色焼付エナメル仕上
                   前面パネルおよび台枠はアルミニウム製
センサー構造:本体は、アルミニウム合金黒色電解加工
                   保護管は真鍮ニッケルメッキ仕上げ
                   コンデンサー容量の変化は、最大0.07μF
使  用  温  度:-10〜+40℃
保  存  温  度:-50〜+70℃
最大使用圧力:1kg/cm2
記録計用出力:0〜10mVDC
電            源:AC100V,50/60Hzまたは006P  x 4個
保            守:ユーザーのメンテナンス不要

 

以上のように、Michell社のポータブル露点計ADMは、残念ながら、現在製造されておりません

後継機種は、より高性能になった、アドバンスト・ポータブル露点計 Model:MDM300となっております

 

MDM300

 

MDM300 技術仕様

性能
計測テクノロジー ミッシェル社セラミック・センサー
精度 露点:±2℃dp(-100〜+20℃dp間)
測定(校正)範囲 -100〜+20℃dp、+30℃dpまで表示
測定単位 ℃、K、℃dp、ppmv、ppmw(Air、N2、H2、CO2、SF2)
%RH、g/m3、g/kg
オプション:圧力(barA/G、psig、MPa、KPa)
表示分解能 露点:0.1、オート・レンジング
測定分解能 0.1℃dpより良好
応答時間(typical) T95≦10min、-60℃dpまで
電気入/出力
外部入力 4-20mA ループ・パワー給電、露点、温度または圧力を選択
バッテリー・タイプ NiMH 4.8V
バッテリー動作時間 通常の使用において最大48時間(充電間隔)
バッテリー充電器 インテリジェント・チャージャー
動作条件
使用圧力範囲 3.5MPa
使用環境条件 屋外0〜100%RH(結露)まで
使用環境温度範囲 -20〜+50℃
保管/輸送温度範囲 -40〜+70℃
メカニカル仕様
表示部 青色LCDグラフィック・ディスプレー
筐体 スチール・ファイバー組込高圧縮ポリアミド6
保護等級 IP66/NEMA4
ガス接続継手 1/8NPT(雌ネジ) オプションで他の接続継手指定可能
ガス流量 0.2〜1.2NI/min
フィルター Inletポートに50µ焼結SUSガード装備
接液部材質 AISI 316Lステンレス・スチール
寸法 d218×w170×h90mm
重量 1.35kg
一般
データ・ロギング機能 8Mbits、ロギング間隔:5〜600Ssec、最大10,000点/log file
通信機能 (無線)BluetoothTM範囲5mまで(version2.0)
認定
本質安全防爆 CE

 

 

本質安全防爆型は、 Model:MDM300 I.S.となっております

MDM300 I.S.技術仕様

 

性能
計測テクノロジー ミッシェル社セラミック・センサー
精度 露点:±2℃dp(-100〜+20℃dp間)
測定(校正)範囲 -100〜+20℃dp、+30℃dpまで表示
測定単位 ℃、K、℃dp、ppmv、ppmw(Air、N2、H2、CO2、SF6)
ppmv、lb/mmscf & g/m3(natural gas)
ppmv、g/m3 & %RH
表示分解能 露点:0.1、オート・レンジング
測定分解能 0.1℃dpより良好
応答時間(typical) T95≦30min、-60℃dpまで
電気入/出力
外部入力 ミッシェル社製ED-TX-ISまたはED ProISをリモートセンサー・インターフェイス経由で接続
バッテリー・タイプ NiMH 4.8V
バッテリー動作時間 通常の使用において最大24時間(充電間隔)
バッテリー充電器 インテリジェント・チャージャー
(但し危険場所での使用は不可)
動作条件
使用圧力範囲 3.5MPa
使用環境条件 屋外0〜100%RH(結露)まで
使用環境温度範囲 -20〜+50℃
保管/輸送温度範囲 -40〜+70℃
メカニカル仕様
表示部 青色LCDグラフィック・ディスプレー
筐体 スチール・ファイバー組込高圧縮ポリアミド6
保護等級 IP66/NEMA4
ガス接続継手 1/8NPT(雌ネジ) オプションで他の接続継手指定可能
ガス流量 0.2〜0.5N/min
フィルター Inletポートに50µ焼結SUSガード装備
接液部材質 AISI 316Lステンレス・スチール、PTFEシール、ホウケイ酸ガラスセラミック
寸法 d218×w170×h90mm
重量 1.5kg
一般
データ・ロギング機能 8Mbits、ロギング間隔:5〜600Ssec、最大10,000点/log file
通信機能 (無線)BluetoothTM範囲5mまで(version2.0)
認定
本質安全防爆

ATEX&IECEx - EX Group II Cat 1G Ex ia IIC T4
Ga−20〜60℃
CSA/FM - NEC 500 Class1 Div 1 Groups A,B,C,D T4
GOST
CE
TIIS認定申請中

 

詳しく知りたい方は、下記まで資料をご請求下さい

info@aichicorp.com

 

 

 

 

ブログ亭主、Yoshi | comments(0) | -

そもそも、露点って何?




最初の執筆は、ブログ亭主のYoshiが担当します。

露点計には40年以上関わってきました。
最初は、たかが水分を測るだけのことじゃないかと、簡単に考えていました。

ところが、やっているうちに、たいへん奥が深いことが分ってきて、いまだに露点と格闘しております。

「露点計測のおはなし」ブログの最初の記事は、何と言っても、露点計測に関わりあった人が、最初にぶち当たる疑問の解説ですね。

「そもそも、露点って何?」

一番手っ取り早い方法は、ビールを飲むことです。

暑くて湿度の高い日の、仕事帰りに、屋上ビアガーデンでビールジョッキを傾けることです。

水滴が付いているジョッキの中のビールの温度が、雰囲気の露点です。まあ、大体6〜8℃くらいでしょうか。
単位は℃DP。℃は摂氏、DPはDew Pointoの略です。

正確には、露が付き始めた時の、ビールの温度となりますので、今の季節ですと、15〜20℃DP位ですね。

涼しい室内ですと、露の付きが悪くなります。

自分で実験し、正確に計測したい方は、こうです。

常温の水を少なめにジョッキに注いで、温度計を突っ込みます。氷を少しづつ入れながら、中の温度が均等になるよう撹拌します。徐々に温度を下げて行き、露が付き始めたら、その温度計の値が、部屋の中の空気の露点というわけです。

現在では、露点は電気的計器で計測するのが一般的ですが、上のような方法で測る機器もあります。

デューカップ(Dew cup)と言われるものです。イスズ式露点計とも言います。
使い方の手順をしっかり守って、計測すれば、かなりの再現性があります。

現場では根強い信頼感があり、いまだに露点計測の結果に疑問がある場合、これを使用して解決する時もあります。

露点計測を、目で見て実感するのに、最適の計器です。たいへん面白く、興味が湧くこと請け合いです。

水の代わりにアルコールまたはアセトンで、氷の代わりにドライアイスを使用します。

これです↓



デューカップ(Dew cup)イスズ式露点計

いずれ、取って置きのノウハウを、Konちゃんに詳しく解説してもらいます。
ご期待ください。

自己紹介を兼ねて、順番に1記事ずつ、書いて貰います。次はTakuさんの番です。あまり、間を空けないように、お願いします。

ではまた、

執筆者:Yoshi

 
ブログ亭主、Yoshi | comments(0) | -

「露点計測のおはなし」ブログ、始めました

「露点計測のおはなし」ブログを始めました。

露点計測に関わって、50年。たくさんのノウハウを蓄積してきました。

ここらで、みなさんに、ボチボチと公開していきたいと思います。

「そもそも露点って何?」から始まって、測り方のいろいろ、機器の取り扱い方、露点計の校正、トレーサビリティ、精度のお話、換算の仕方、単位のお話、いやな結露のお話、などなど等々・・・、思いつくままに各担当者がアップしていきます。

記事執筆は、ブログ亭主がYoshi、理論がTaku、計測がKon、女性の目線がHana、の弊社オールメンバーで担当します。

リクエストにもお答えします。書いてほしい内容を、こちら、まで、お知らせください。
気軽に参加、お待ちしております。

不定期です。アップのお知らせを、メールで受け取りたい方は、こちら、まで、ご一報ください。

ではまた、

執筆者:Yoshi
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