露点計測のおはなし

<< August 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< そもそも、露点って何? | main | まだまだ健在、イスズ式露点計 - Dewcup(デューカップ) >>

トレーサビリティのお話しと、「校正証明書」の発行

「露点計測のおはなし」、理論担当のTakuと申します

 

中学・高校と、教科では物理が好きで、勉強しなくても授業を聞いているだけで合格点を取っていました。

 

たった一つ中学時代に良く解らなかったのが、飽和水蒸気・露点・湿度で、分からないからと勉強していくうちに、遂に大学で、専攻する羽目になってしまいました

 

「たかが水分、されど水分」

 

簡単なようで、結構難しく奥が深いのです

専門に勉強してみて、それが分かり、まあ、中学・高校くらいでスッキリと分からなかったのは、無理もないと思った次第です

 

さて、ぼちぼち、表題の「トレーサビリティ」のおはなしに入りましょうか

*****************************************************


ちょっと硬くて難しいのですが、露点計測の要の部分で、現在、国際的に非常に重要な概念となっておりますので、ぜひ、最後までお付き合いください。


露点計を始めとする計測器は、定期的に校正をしなくてはいけませんが、そのためには信頼できる基準器が必要です。

その基準器もまた、校正が必要で、それには別の基準器を使用します。

この様に順次さかのぼり、最後に辿り着くのが、国家標準または国際標準というわけです。


トレーサビリティはJISの計測用語で、

不確かさがすべて表記された切れ目のない比較の連鎖によって、決められた基準に結びつけられ得る測定結果または標準の値の性質。基準は通常、国家標準または、国際標準」[1]

と定義されています。


この定義の中の、

1.「不確かさ」[2]
2.「切れ目のない比較の連鎖」
3.「国家標準または、国際標準」

について、解説していきます。


1.「不確かさ」Uncertainlyとは、計測のばらつきのことです。「不確かさ」が大きいほど、測定結果として予想されるばらつきも、大きいものになります。

下記の「Calibration Certificate」に記載されておりますが、通常は小数一位以下の数値(例えば、0.07とか0.56)になっております。

2.「切れ目のない比較の連鎖」はトレーサビリティ体系図(Traceability Chartトレーサビリティ・チャート)によって、表記されます。

    例えば、こんな感じです ↓


各書類に記載された、基準器の型番・製造番号がトレーサビリティ体系図のものと、合っていることが絶対条件です。

3.「国家標準または、国際標準」
露点計は現在、国際標準の、NPL、NIST、SCSにトレーサビリティを取るのが、主流になっています。

NPL:National Phisical Laboratory
NIST:National Institute of Standards and Technology
SCS:Swiss Calibration Service

校正対象露点計の校正時に使用する基準器と、NPL, NIST, SCSの標準器との比較データ、「Calibration Certificate」が発行されます。
これには、基準器の製造番号が記載されています。


露点計のユーザーから、校正を依頼された会社又は機関は、以上のトレーサビリティを有した基準器と比較した「試験成績書」を作成し、「校正証明書」を発行します。


「校正証明書」の書類一式は以下の通りです [3]
1. 校正証明書
2. 試験成績書
3. トレーサビリティ体系図
4. Calibration Certificate

最後まで、お付き合い頂いて、有難うございました。

Konちゃん、たいへんお待たせしました。次、お願いします。

執筆者:Taku

脚注
[1] JIS Z8103:2000計測用語の2132番
[2] 不確かさ
[3] 「校正証明書」付きの校正

理論担当、Taku | comments(0) | -

この記事に対するコメント

コメントする